【出張】慶應大学で環境教育の講義をしてきました(10/20)
10月20日(木)、慶應大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)にて、環境学のゼミ生18名に対して環境教育の講義をしてきました。
「バーチャルが隆盛する時代だからこそ、自然と直接触れ合う【原体験】が大切」という大学側との共通認識のもと、キャンパス内の森を使ってフィールドワークを行いました。
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「普段、キャンパス内の森を歩くことはありますか?」と学生に聞いたところ、答えは全員「NO」。
学校生活が忙しいこともあるでしょうが、森の心地よさや楽しさを知らなければ、わざわざ行きづらい場所まで足を運ばないのは当然です。
そこで今回は『SFCの森、再発見』をテーマに、森の中を実際に歩いてみることにしました。
キャンパスができて25年が経つそうですが、メイン道路を少し外れると、クヌギなど里山を代表する樹種が多く残っていました。昔は薪炭林として使われていたのかもしれません。
森の深いところまで足を踏み入れると、栗、柿、銀杏、山椒、マテバシイ(ドングリが食べられる)など、食に通じる樹木をたくさん見つけることができました。
葉っぱや実のにおいを嗅いだり、実際に食べてみたり・・・五感をフルに使って自然を楽しんでもらいました。
落ち葉が積もった場所を歩いてもらうと、スポンジのようにフカフカで、皆さん驚きの声を挙げていました。森が雨水をためる「緑のダム」の役割を果たしていることを、体で感じたことでしょう。
森探検のあと、自分たちの理想の森を画用紙に描いて発表をしてもらいました。
それぞれ個性的でしたが、多くの学生が、人間を大きな要素として描いていたのが印象的でした。
また、木の実など食べられるものが描かれている絵もいくつかあり、今回のフィールドワークで食に通じる樹木を多く観察したことが反映されていたように感じました。
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最後にまとめとして、「本物に触れる直接体験」の大切さを伝えました。
インターネットからでは得られない、自分の五感を通して得た体験は、時に感動を伴い、より印象に残ります。
環境教育を行う上では、特に大切なポイントだと考えています。
意識を向けさえすれば、身近なところにも「本物の自然」は凛として存在している。
学生の皆さんにとって、自然に親しみを感じる【原体験】の一つとなっていたら嬉しいです。
(塚原)